昨年度に弊社で起こった2件の労働災害に対してどのように対処したかを解説、フォークリフトのバック事故やコンテナの落下事故の事例を題材にして、以下の点を強調しました。
●必ず、事故事例研究会を行う
●なぜ、既存のルールが守られなかったか分析する
●ルールを守らずに作業する成功事例に落とし穴がある
●再発防止策は管理側ではなく、必ず現場の人間が立案
また、事故発生後に作成したビデオによる事故防止マニュアルなども紹介しました。
品質面では、まず破損事故件数が、ここ3年間ほど横ばい傾向であることを強調し、金額面では減少傾向にあるものの、まだまだ努力が必要であると述べました。
破損事故の半数以上がフォークリフトによるものであり、強い現場づくりが求められていることを示しました。後のQC活動でも報告のある、現場主導の事故防止策=ボトムアップ=が成功の鍵であることを強調し、安全品質対策会議などに参加し、各社の取組みを共有することを呼びかけました。
続けて、輸送チェックシートの運用の徹底についても強調しました。
また、飲酒運転撲滅の活動に触れ、アルコール検知完全実施とともに、前日の酒気残りを管理するための指導を報告しました。「飲酒習慣の危険度チェック」冊子を配布し、全ドライバーの誓約の記録をとったことを踏まえ「自己チェックで気付いてもらうだけでなく、飲酒運転撲滅の姿勢を示す指導・監督の記録として、3年間保存しようと考えています」と企業防衛面での重要性を語りました。
環境対策としては、弊社がいすゞ自動車と共同開発した15t車ウイング車について報告しました。
この15t車はボディも総アルミで、従来より10%貨物が多く積め、年間7万~8万kmの長距離運行で6千kg以上のCO2削減が可能となります。
「環境にいいこと、未来へつなぐ」というキャッチフレーズで環境負荷を削減車としてアピールしています。もちろん収益力のアップにもつながるので、パートナー企業の皆さんもぜひ、前向きに導入を検討していただきたいと呼びかけました。
情報の共有もボトムアップによる「強い現場づくり」に通じるテーマであり、次の4点の重要性を確認しました。
(1)小集団活動──現場における情報の共有が小さな改善に結びつく
(2)知っておきたい保険の知識──損害保険の車両牽引サービスなど管理者も知らない情報が眠っていることが多い
(3)運輸安全マネジメントのPDCA──運輸業界では、C(チェック)=内部監査に問題があるケースが多い
(4)当社の安全活動の公表──ホームページなどで活動やマネジメントの結果報告も実施
さらに、タカラ物流システム㈱が参加する「物流技術研究会」の活動における「情報の共有」についても紹介しました。
「物流技術研究会」は国土交通省による「トラック安全対策リーディングモデル事業」として認定され、助成金の交付を受けていることも指摘し、物流子会社相互の会社の垣根を超えた情報交換が、「安全・品質・環境」の推進にも大きな力となっていることを訴えました。