タカラ物流システム(株)、キリン物流(株)、アサヒロジ(株)共催
於・クレフィール湖東 交通安全研究所(滋賀県東近江市平柳町)
平成23年10月16日(日)、タカラ物流システム(株)・キリン物流(株)・アサヒロジ(株)3社合同主催による「第6回 大型ドライバーズ・コンテスト」が開催されました。
好天に恵まれ爽やかな秋晴れの中、コンテストに58名のドライバーが参加し、スタッフ・来賓を含め総勢220名以上の出席を得て盛大な大会となりました。
このコンテストは平成18年からスタートし、3社のドライバー及び協力運送会社のドライバーを対象に、安全運転意識ならびに運転・点検技能などの向上を目指して毎年開催されています。
今年は、各社の呼びかけに応じて、41社から計58名のドライバーがエントリーしました。色分けしたゼッケンで、キリン物流グループ、タカラ物流システムグループ、アサヒロジグループの3班に分かれ、学科試験、点検実技、運転競技の3種目にわたり、日頃の知識と技を競い合いました。
開会式では、まず、主催者を代表して、当社の上坂良秋副社長が開会の挨拶を行いました。
「今日は、物流の最前線で活躍している皆さんに集まっていただきました。ほとんどの資源が有限と言われる中、人だけは無限の可能性を秘めています。皆さんには、知恵と工夫と技能を駆使してぜひご活躍いただきたいと思っています。
今日は、日頃の実力を存分に発揮していただくとともに、自分の運転や点検などの力がどの程度あるのか、気づき、学んでいただく機会としてください」と全員にエールを送りました。
上坂副社長の他、来賓として、
キリン物流(株)より
代表取締役社長 小瀧正美氏
取締役西日本支社長 高倉正行氏
アサヒロジ(株)より
取締役関西支社長 苫谷一男氏
が参加、コースまで出て熱心に競技を観戦し、激励の言葉をかけられました。
学科試験は、40分かけて50問(法令問題30問・車両構造10問・一般常識10問)にチャレンジしました。試験問題は、クレフィール湖東・交通安全研修所の作成によるものです。
皆、ベテランのプロドライバーですから楽々クリア?と思いましたが、「意外に難しい」問題もあったらしく、平均点は100点満点で62.97点、最高点は82点でした。
いすゞ自動車近畿からメカニックを含めて20人近くのスタッフが参加、審査員・補助等を担当し、問題作成から採点まで全面的に協力しました。
点検には、正確さとともに業務のなかでスピーディーに点検できるかをみるため、制限時間が設けられました。リズムよく実施できるかどうか日頃の実践ぶりが問われました。
ここでの最高点は98点で素晴らしい点検ぶりを見せたドライバーがいました。
また、会場入口には、当社がいすゞ自動車(株)と共同開発した総アルミボディの15t車ウイング車も展示されました。
もっとも力が入ったのは、やはり運転実技です。障害物が仕込まれた外周走行と、コース内に作成された狭路通過、パイロンスラローム、バック、プラットホーム付けなどを連続走行で行い、タイムやホーム付けの距離とともに、安全運転ぶりをクレフィール湖東のインストラクターが採点しました。
狭路通過後のパイロンスラロームは大変短い距離でのハンドル操作になるため、車両左後部のリアオーバーハングを十分に把握して操作しないと、パイロンポールに接触してしまいます。ここでポールを倒す車が少なくありませんでした。
また、普段はパネルバンに乗務し、平ボディ車に慣れていないドライバーも多く、バックのホーム付けに苦労する場面も見られましたが、後方との間隔を20センチ程度に詰めるドライバーも多くいました。距離が離れて、競技者には聞こえないものの「まだバックいけるぞ!」と見学者からは盛んに応援の声が飛びました。
運転実技の最高点は87点で、90点台の選手はいませんでしたが、皆、真剣に取り組んでいました。
このドライバーコンテストは、競技もさることながら、参加するドライバーへの教育を目的としたものであることに大きな特徴があり、机上の指導や社内指導だけでは身につかない様々な事故防止の知識を身に付けるチャンスとなっています。
今回も、競技の修了後には、当社の丸山利明安全品質環境推進室長とドライバーにより、実務に役立つリアオーバーハング・安全なバックの実演が行なわれました。
◯リアオーバーハングを実測して把握する
リアオーバーハングは、左に一杯ハンドルを切って進行したとき、右側の後部がどれだけはみ出すか、少しずつ車を進めてチョークで地面に軌跡を描いてチェックしました。実験した3軸の15トン車では最高約1m20センチのはみ出し幅です。
丸山室長は、「予想していた幅と比べて小さかったかも知れませんが、大切なことは、自分の車のオーバーハングがどれだけあるかを、こうした方法で知っておくことです。
ぜひ、会社に戻ったら自分の車で試してみてください」と実践を促しました。
さらに「リアオーバーハングが正しく把握できていれば、たとえば1m50センチの横幅がある場所では目をつむってハンドルを一杯切っても最後部が絶対に当たらないということがわかります。こうした裏付けのある知識を持ち、自信をもって運転してこそプロドライバーといえるのです」と強調しました。
◯安全にバックする知恵
また、バックの実技は、幅4m程度の狭い場所にバックで入る際の工夫を解説。見えない左後方を気にしながら何度も切り返して、結局接触してしまうことが多い事実を踏まえて、大型車による実演を行いました。
パネルバンのバックアイカメラ(バックモニター)を活用して、一度、狭路の左角に車両の中心線が合うように斜めにバックし、その後、前方に切り返すと、左右両方のミラーに狭路入り口の両角が写るようになるので、接触せずに素早く安全にバックすることができます。
これらの実演による講習は、明日からすぐ現場で役立つ知識なので、ドライバーだけでなく見学の関係者も熱心に見守っていました。
コンテスト終了後にはデータ集計が行なわれ、その結果、最高得点者の篠原寛さん(大阪内外液輸㈱)が優勝しました(その他の上位入賞者は下の別表参照)。
主催者側を代表して苫谷一男アサヒロジ(株)関西支社長から、上位入賞者10名に賞状ならびに賞品、副賞が渡されました。
篠原さんを含め、タカラ物流システム㈱の協力会社として参加したドライバーは上位10位に4人が入るなど、皆さん健闘されました。
最後に、キリン物流(株)の高倉正行西日本支社長が閉会の挨拶に立ち、
「今日のコンテストを拝見して、物流事業の改善をすすめるのは机上ではなく、皆さんのいる物流の現場であり、ドライバーの皆さんの力そのものであるということを改めて実感しました。
今や、生産の現場ではロボットや新技術が、販売の現場ではインターネットやIT技術が大きな力となっていますが、一方で、物流の現場こそは人が介在する部分が一番大きくなっていて、改善のための貴重な情報収集や日々の努力は、ドライバーの皆さんの双肩にかかっています。
今日のコンテストに参加されたこと自体が、貴重な糧となったことと思います。また明日から、この経験を活かして現場のよりよい改善のために頑張ってください」
と結び、閉会しました。
コンテスト終了後、当社の呼びかけで参加したドライバーの皆さんと関係スタッフで記念撮影をしました。
<日時>
平成23年10月16日(日)8:30~16:10
<場所>
クレフィール湖東・交通安全研修所
<参加者>
タカラ物流システム(株)、キリン物流(株)、アサヒロジ(株)、ティービー(株)、エービーカーゴ西日本(株)、(株)都々城運送、浪速通運(株)、(株)セイリョウライン、伸友物流(有)、(株)長田運送、はやと(株)、(株)サンキュートランスポート関西、尾花運送(株)、ミナト流通サービス(株)、大阪内外液輸(株)、井坂運輸(株)、(株)大谷 三菱電機ロジスティクス、中倉陸運(株)、ケーエルサービス西日本(株)、ケーエルサービス九州(株)、田中運輸(株)、是則北陸運輸(株)、日本急配(株)、脇阪運輸(株)、両備ホールディングス(株)、岡山スイキュウ(株)、名鉄急配(株)、長野第一物流(株)、(有)田島梱包、エービーカーゴ東日本(株)、佐藤運送、渡辺産業、ジャパンロード、西宮高速運輸、末廣運輸、(株)バンテックウエスト、(株)バンテックセントラル、サントリーロジスティクス(株)、サッポロ流通システム(株)、中野運送(株)、不二倉庫運輸(株)、
──参加企業41社、ドライバー58名、スタッフ、来賓、見学者等で総勢約220名
<協力>
いすゞ自動車近畿㈱、エネクスフリート(株)、オーニット(株)
【平成23年10月25日更新 取材・編集 シンク出版㈱】
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