第15回パートナー会議―安全・品質・環境への取組

常務執行役員

安全品質環境推進室長

 

丸山 利明

 

 休憩をはさみ、当社の安全・品質・環境への取組みについて、労働災害防止を踏まえたリスクアセスメントの実践を中心に、丸山利明常務執行役員が報告を行いました。

労働災害は「危険な状態」と「危険な行動」が相まって発生する

丸山 昨年発生した労働災害をご報告します。工場洗浄場において、タンクローリー上部に上る横梯子から落下した事故です。

 

 労働災害は、危険な状態と危険な行動が相まったときに発生します。

 今回の事故の危険な状態とは、

 1.梯子に滑り止めが設備されていなかった

 2.安全帯を装着する決まりはなかった

 3.梯子の上下りが危険な作業という認識が

   なかった

ということです。

 そして、ドライバーのした危険な行動とは

 1.上りにくい横の梯子から上った

 2.三点確保をしっかりしていなかった

 3.早く終了しようと焦っていた

という点でした。忙しい時期に洗浄を待つ車がたくさんいると「早く済ませよう」という焦りの意識が働く、というドライバーの意見がありました。

全社で「安全帯」の使用をルール化

 クリックすると拡大します(以下同)
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 議論の過程は省略しますが、我が社がとった対策をご報告したいと思います。

 

 第一は高所作業全体での「安全帯」の使用です。

 各工場の洗浄場、積降し場等において、安全帯使用のルールを設定し、工場側も安全帯をかける器具の設置をご協力いただきましたので、パートナー会社のドライバーの皆さんにも着用徹底をお願いしています。

 

 第ニは、上りにくい横梯子の使用を禁止して上下りは後梯子を使用し、三点確保を確実に実施することです。

 三点確保は登山などでは常識ですが、常に四肢のうち三つで身体確保をする方法を知るため、1人ひとりのドライバーが実践できるまで訓練をしました。ドライバーからは「梯子を上ることがこんなに難しいとは思わなかった」という感想がありました。

 第三点は、梯子のステップを丸棒から10cm幅の鉄板に改良したことです。滑りにくくして普通の階段にしようということです。

 

 さらに、この大きな労働災害が起こったことを契機に、社長とも相談して、ドライバーとフォークリフト・オペレーターが関わる全業務について、他の業務でも危険がないかリスクアセスメントを実施して検証することになりました。

リスクアセスメントにおる危険作業の洗い出し

 リスクアセスメントは、作業におけるリスクの大きさを「発生頻度」「可能性」「重大性」の三つに分け数値化し、その合計数値から「リスクレベル」を判定し、数値を下げるための対策を立てる活動です。

 

 現場でドライバーと一緒に検討した結果、24項目の「危ない作業」が出てきました。

 たとえば、ジョルダーのストッパーがないため、パレットが落下するような危険のある仕事は、17点というリスクレベルでした。

 発生頻度   まれである──1点

 ケガの可能性 起これば必ず負傷──6点

 ケガの重大性 死亡事故が起こる──10点

 

数値化することで危険の程度が自覚できる

 12点を超えるような業務は、現場作業をストップして改善して減点しなければ再開しないという約束でアセスメントを進めたところ、24項目中の2つの業務が17点を記録し、すぐに改善しなければ業務を進めることができないという結果になったのです。

 

 実際には、ジョルダーの場合は全車ストッパーをつけることで負傷可能性や重大性をかなり低くすることが可能で、17点のリスクレベルが5点にまで改善できました。他の17点作業も3点まで低減できました。

 ここで、リスクアセスメントを「やって非常に良かった」と感じた点は、

 ・数値で表すことで危険度合いが理解できる──ということと

 ・作業に対する危険感受性が養われる

ということでした。今後も、8月から10月をリスクアセスメント月間として、毎年作業のリスクレベルを検証していきたいと考えています。


労災は必ず申請を

丸山 他の労災事故についても報告します。

 この事故は、協力会社の乗務員が得意先にて4トンウィング車で納品中、足を滑らせボデーから落下・顔面を強打、頬骨骨折で手術したものですが、事故後「労災申請をしない」とその企業から連絡があったので、必ず労災申請をしていただくように連絡しました。

 後で調査したところ、負傷した本人が事業主であたっため労災保険に加入していなかったことが判明しましたが、本来、労災申請は必ずしていただく必要がありますので、ここにご紹介しました。

ほほ骨骨折で手術する

破損事故防止運動の効果

 品質面では、破損件数や破損弁償金額ともにこの10年間で80%削減という効果が出ています。

 2012年度も破損件数20%減の削減目標を達成しました。とくにフォークリフトに起因する事故の削減が目立っています。

 破損削減については、昨年取り組んだ「破損防止強化月間」の運動効果もあったと考えています。皆様にもご協力いただき標語の事前募集を実施し、強化月間中は破損削減標語ポスターを掲示しました。

 2013年度も取り組みますのでよろしくお願い申し上げます。今年度の年間目標は破損件数・弁金とも10%削減を目指しています。

 また、事故防止強化月間期間中は20%削減を目指します。

 フォークリフト事故は大幅に減っているもののトラックドライバーに起因する輸送中の破損事故は増加傾向にありますので、今年は特にドライバーの破損事故削減を目指したいと思います。

 

 破損だけでなく「連絡漏れ」による遅延の苦情もありますので、遅れる場合は、仕方がないので原因と到着時間を必ず報告するよう努めてください。

 

 なお、液体輸送の品質向上については皆様の取組みに感謝いたします。「輸送チェックシート」の徹底により、2012年度の事故クレームは0件でした。今後とも、5つのチェック徹底で品質維持をお願いいたします。

社内指導員養成研修の開催

 情報の共有面では、例年通り安全品質対策会議を9月~10月に開催します。

 また、今年度よりパートナー各社様の品質向上と教育体制の構築に資するため、当社主催による指導員養成研修会を開催いたします。

 対象は、ドライバー指導員とフォークリフト指導員です。7月21日の東日本支社における研修を皮切りに、各研修25名の定員で実施します。

 改めて研修案内をお送り致しますので、ふるってご参加ください。

安全・品質・環境にこだわり信頼性を向上させましょう

 その他、当社が推奨しておりますGマークグリーン経営、ISOの各認証取得についても、パートナー企業様において取得率がアップしております。Gマーク取得企業については、2012年度は71.2%にまで達しています。

 

 今後とも、安全・品質・環境にこだわり、企業の信頼性向上に取組んでいただきたく思います。


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