フォークリフト指導員養成研修会(2013年9月)

 タカラ物流システム(株)では、パートナー会社様のフォークリフト社内指導員養成のための研修会を9月に開催しました。
 9月1日(日)には、タカラ物流システム(株)本社において西日本地域のパートナー会社のフォークリフトオペレータの皆様を対象に、また9月8日(日)にはタカラ物流システム(株)東日本支社において東日本地域のパートナー会社の皆様を対象に、指導員養成研修会を実施しました。

《座学1》

 研修は、午前中に座学とリアオーバーハングや死角の体験を行い、午後から点検実技と試験、運転実技の研修を実施した後、最後に弊社の丸山常務が研修のまとめとして、配布資料の説明などを行いました。

 

 午前中の座学では参加者の自己紹介のあと、今回の研修目的として「物流の仲間として、パートナー企業とともに研鑽を続けてレベルアップし、厳しい競争に共に打ち勝っていきたい」という弊社の基本姿勢を伝えました。 

 その上で、弊社で過去に発生したフォークリフトの作動オイル漏れによる製品汚損事故などを紹介し、安全対策には十分な管理・指導を行ってきたつもりでも、事故は少しの油断から起こることを強調しました。改めて、フォークリフトの構造や点検を学ぶ理由もそこにあります。

 運転操作のポイント、構造規格・作業開始前点検のポイントなどを1時間程度説明したあと、実技に移りました。

《実技1──オーバーハング・死角など》

■リアオーバーハングを実測

 2トンのカウンターフォークリフトを使い、ハンドルを一杯切った場合(2回半近く)のオーバーハングを測定したところ、トレッド幅と同じ距離=約1m近く=はみ出しました。

 ところが、ハンドル1回転にとどめて回った場合には約30㎝のはみ出し量で、十分に曲がれることがわかりました。

 リーチフォークリフトでは、さらに、はみ出し量が少なく曲がれることがわかりました。

 講師が「フォークリフトのオーバーハングを意識しないまま発進して、フォークリフトの左側に立っていた人を巻き込んでしまった重大事故例もある」と位置関係を示しながら指導すると、皆、熱心に聞いていました。

■死角体験

 フォークリフトのマストやガード、ボンベなどがどれほど大きな死角をつくるかを、実際に参加者が4すみに立って、交替で運転席に座り体験しました。

 講師は、「死角なら知っていると思われるでしょうが、本来、フォークリフトオペレーターではなく、リフトの作業経験がないドライバーや事務所の人に乗って気づいてもらうことが重要です。事務職はフォークリフトに死角があることに気づいていないので、危険な方向から接近してくることがあります」と、同様な死角の指導を職場で実施することが重要であると伝えました。

《実技2──点検》

■オイル漏れがもっとも怖い

点検の実技では、フォークリフトの構造・仕組みを解説しながら、作業前点検のポイントを説明した後、点検を実習しました。

点検でとくに重視していたのは、油圧系統からの油漏れ、バックレストのガタや損傷、マストやティルトの動き、ハンドル操作、ブレーキの効き等です。受講者全員が実際にフォークリフトを動かしながら、チェックしました。

 

「作動油の中に木くずが入っただけで、ホースに穴が空きオイル噴出事故をなる可能性がある」と講師が強調し、日常的な点検・整備がプロとしての務めであることを意識づけました。 

 その後、不具合箇所を仕込んで点検試験を実施しましたが、皆、的確に不具合箇所を指摘できました。

《実技3──運転》

■ハンドル1回転での作業を身につける

 点検試験のあとは、荷積みの基本操作を学びました。

 荷積みをする場合にもっとも重要な点は、積み込む前に早めに1回転程度ハンドルを切リ、積み込み場所に対してフォークリフトを正体させて前進することです。

 狭い場所でも、1回転程度のハンドル操作であれば、接触の危険も少なくリフトを正体させることができるのです。

 

   また、前進前に真っ直ぐ正体していないと、荷物の側方が正しく並行になっているか認識できないので、接触事故などを起こしやすくなります。この点を講師に繰り返し指導を受けたあと、どのポイントでハンドル操作(約1回転)をしたらよいかを、自分の感覚をつかむまで練習しました。

《座学2》──事故災害防止と安全配慮義務違反

 実技と運転試験がすべて終了した後に、丸山常務が研修のまとめとして、指導ポイントと配布資料の説明を行いました。

 配布した冊子「フォークリフトオペレーターのための安全運転読本」は、物流技術研究会が監修し、多くの事故事例が紹介されていますので、その重要ポイントを解説し、注意を促しました。

 とくに、フォークリフトオペレーターが、ヘルメットをかぶっていない状態で柱とリフトガードの間に頭を挟まれた重傷事故の事例については、ヘルメット非着用は事業者の指導ミスでもあり、事業者が「安全配慮義務違反」に問われたことを強調し、職場の指導員としては、ヘルメットなどの基本的な安全指導も重要であることを意識付けました。

 最後に、丸山常務は参加者に修了証を手渡し、次のように結びました。

丸山 タカラ物流システムでは、パートナーの皆さんと一緒に物流品質のスキルアップを図っていきたいと考えています。研修で学んだことを、ぜひ社内でも指導していただき、他の物流企業からも『あの会社は絶対に使おう』と言われるようになってほしいと思います。

 

 今年は基本的なことを学びましたが、来年の研修ではフォークリフト事故事例の検討会を皆さんと一緒に実施したいと考えています。

 今日は、長時間お疲れ様でした。

 

配布資料の一部(クリックで拡大)
配布資料の一部(クリックで拡大)
修了証
修了証

取材・構成 シンク出版㈱

タカラ物流システム