第16回物流パートナー会議─安全・品質・環境への取組み活動について

常務執行役員

安全品質環境推進室長

 

丸山 利明

 

 当社の安全・品質・環境への取組みについて、昨年度に発生した事故の真摯な反省を踏まえた実践を中心に、丸山利明常務執行役員が報告を行いました。

■ウイング事故再発防止のため基本ルールを再確認

クリックすると拡大します(以下同)
クリックすると拡大します(以下同)

 まず、平成25年度に発生した構内事故事例を皆様と共有したいと考えご報告します。
 自社車両のウイング閉め忘れにより、親会社の工場構内において配管を破損する事故が起こり、多大な損害が発生しました。
 破損賠償額は小額ですんだのですが、過去にも同種の事故を起こしており、物流子会社としての信頼を失墜させたということが多大な損失です。

 事故要因として以下のような問題点が明らかになりました。
 1.工場ルールが遵守出来ていなかった
 2.早く出発したいという焦りがあった
 3.発進前の車両確認を忘れていた
 4.インターロック装置が故障していた

 対策としては以下の3点をあげています。
1.工場ルール遵守の徹底

2.出発前の車両一周による安全確認ルールの徹底
3.自作のインターロック装置を開発

 

 1、2は当たり前のことですが、工場ルールではウイング開閉を確認してから開放走行禁止札を返すべきところを、リフトマンが忙しそうだったので確認前に先に札を返してしまった後、別の人と話をしていてウイング開放を忘れたということでしたので、再度、忙しくてもルール逸脱のないように指導しました。

 3は整備スタッフと共同で考案したもので、閉め忘れ防止のために電源接続を車体外部のコンセント形にして、ウイングが開いているときにはエンジンへ電気信号がいかないように工夫しました。既成のインターロック装置にホコリがたまって通電し、エンジンがかかってしまったので自作を試みたものです。

■病気の影響による居眠り事故にも厳しい刑事罰が

 次に、この場を借りて交通事故の法律が変わったことを共有したいと思います。すでにご存知だと思いますが、さる5月20日に自動車運転死傷行為処罰法が施行されました。事故を起こしたドライバーの刑事責任が強化されたことを教育しておかねばならないと思います。

 「てんかん」など病気の影響で正常な運転が困難な状態に陥った場合の交通事故が、最大で懲役15年の刑事罰が科されることになりました。

 とくに、我々がしっかり認識しておかねばならない点は、睡眠時無呼吸症候群=SAS=等もこれらの病気に含まれるということです。

 SAS等と診断されて注意を促された運転者が居眠り運転事故を起こした場合、懲役15年の刑に該当する可能性があります。

 さらに、こうした病気に罹っていることを会社でも承知していたら、民事裁判の賠償責任にも大きな影響を与えると考えられます。

■破損防止活動は年間を通じて実践

 
 

 続いて、品質面から破損事故防止運動についてご報告します。破損事故は、10年間で件数・金額とも80%以上削減しています。

 25年度も破損金額に関しては前年度より18%減少しましたが、件数は15%増加しています。小さな事故が増加したということです。

 

 2年連続して防止強化月間を設定して取り組みましたが、今年からは通年で取り組むことにいたします。目標は件数20%減、金額10%減です。

 

 なお、破損原因を分析しますと、フォークリフトに起因するものが全体の80%に上り、プラス77件と増加しています。要因としては

 ●フォークリフトの誤操作   ●新入作業員の不慣れな操作

 ●物流増加時のあせり     ●作業環境の悪化

などがあげられます。

 
 

 対策としては以下の点に取り組んでいます。

 1 日々のミーティングで情報を提供

 2 定期的な安全教育の実施

 3 ラップ巻き等のルールの設定

 

 フォークリフト作業教育としては、パートナー会社の皆さんとともにオペレーター実技指導に取り組み、非常に成果があがっています。今年度は事故事例研究会を実施する予定です。

 

 このほか、「納品トラブルの防止」「液体輸送の品質維持」についても継続してご協力をお願いします。

 

■パートナーの皆様と情報を共有

 その他、当社が推奨しておりますGマークグリーン経営、ISOの各認証取得についても、パートナー企業様において取得率がアップしております。Gマーク取得企業については、25年度は65.8%に達しています。

 

 Gマーク取得に関しては、来年7月1日の申請を目標にして、弊社で年3回の支援会議を予定しています。

 支援内容としては、各種帳票の記録、外部研修の参加、安全風土構築の支援ですが、安全風土構築としては、いろいろと面白いやり方があります。

 弊社の経験からして、従業員自身が意欲をもって取り組む「しかけづくり」が重要であり、ボトムアップが大切です。

 

 今後とも、安全・品質・環境にこだわり、企業の信頼性向上に取組んでいただきたく思います。

■運送事業の危機管理術テキストを紹介

 最後に、皆様のお手元に配りした資料「貨物運送事業の危機管理術」というテキストについて、少しご案内させていただきます(発行:シンク出版)。

 安全管理のために会社が取り組む方法をわかりやすく記述されています。

 「運行管理に関する違反で即、事業停止処分」といった見出しでわかるように、昨年秋から厳しくなった、国土交通省の監査方針・処分の基準を踏まえています。

 

 実際に貨物運送事業者が処分を受けた事故の実例や、それを防止するためにどのような対策をとったらよいかなど、わかりやすくイラストと図示で解説しています。

 

 また、居眠り運転防止指導などに役立つドライバー向けの資料なども掲載しています。ぜひ、参考にしていただきたいと思います。

タカラ物流システム