第18回パートナー会議─ 安全・品質・環境への取組み

タカラ物流システム(株) 常務執行役員

安全品質環境推進室長

 

丸山 利明

 

 当社の安全・品質・環境への取組みについて、これまで弊社で実践してきた活動を踏まえて、丸山利明常務執行役員が報告を行いました。

■居眠運転防止はドライバー任せではできない

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 治良丸様がさきほど指摘されたように、トラックドライバーの居眠運転が大きな問題です。

 私も以前、ドライバーに居眠運転に陥りそうになって休憩しようと考えるのはどんなときかを聞いたことがあります。

 ドライバーは実際には居眠りの兆候を自覚しても、1回め、2回めではなかなか休んで眠ろうとすることは少ないのです。

 実際には、「ガードレールに接触しかけて」など、3回めの危険な居眠りに気づいて初めて「これは危ない」と感じて休憩するのが実態です。

 この3回めが、先日の山陽自動車道のトンネル事故になるようなこともあります。

 

 ドライバー任せにしていては、なかなか自分から眠るようになりません。会社ぐるみで、安全風土を構築し、1回めのヒヤリでも勇気を出して眠ることを働きかけていかないと、居眠運転はなくならないと考えています。 

 さて、昨年度は当社では物損事故が増加しました。

 事故類型としては、バック事故と車線変更時の事故が多発しているのが、特徴的です。

 これについては、今年度はドライブレコーダーにより日常の運転ぶりを観察して個別指導を行うことを予定しています。

■交通事故、労働災害は管理者の責任です

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 それから、最近、フォークリフトの労働災害が発生しました。

 

 トラックから荷の取卸しをしていたフォークリフトがバックしたとき、歩行者用通路を歩かずないでトラックの横を通行していた被災者と衝突した事例です。

 

 ここで、まず現場での事故研究研究会の内容を紹介しましょう。 

 事故の主たる原因として、ほとんどの現場のリフトマン・運転者は、「トラックの近くを歩いた被災者が悪い」という意見でした。

 

 管理者の目では、まず、フォークリフトが後ろの安全確認をするべきだったと考えがちですが、現場の意見ではそれが4番目で、フォークリフトの後ろを歩く歩行者の行動が危ないということでした。

 

 さらに、朝礼、夕方のミーティングがないということが2番めに指摘されています。これは管理の問題です。

 日常的にルールの確認をきちんとしないと、事故が起こるということです。労働災害は不安全状態を放置していた管理者の責任だと考えています。

■日常的な注意喚起をする風土づくりが大切

 そこで、対策としては以下の2点が重要とされました。

 
 1番目は、歩行者がフォークリフトの作業半径に近づかないようにする対策です。安全パイロンなどで標示します。

 2番めに管理面の対策として、日々の朝礼・夕礼を確実に実行し、安全作業を優先する風土を構築するということになっています。

 日常的に注意喚起することの重要性が強調されています。

 

 フォークリフトと人を物理的に完全に分離するのは無理ですが、どうやって事故防止をしていくか、現場で知恵を出していこうと考えています。 

■事故「・災害が起こりにくい職場にする

 この他にも、管理面での不安全状態の見落としから、自動倉庫内に設置された機械に関連する労働災害が発生しました。

 現場でリスク・アセスメントを進めていたつもりでしたが、まだまだ、危険の見落としが多いということを改めて痛感しました。

 

 現場で作業をしている人は、安全と効率を天秤にかけ、自分は安全に配慮していると思い込んでも、つい効率的な作業に走ってしまいがちです。

 それがだんだん日常化して、かなり不安全な行動へと逸脱していきます。

 

 しかし、管理者は現場でそんな危険な作業をしていたということを知らなかったということです。

 

 ですから、先程社長も指摘されたように、今年度は安全対策をゼロに戻して、安全の総点検をしていく決意です。事務所でもミーティングをする場を設けて、現場の作業を知ることを徹底しようと考えています。

■全員参加で安全管理を徹底する

 
 

 先日、JR九州の実践ということで、全員参加の「うっかり」削減活動というものを知りました。

 

 お金をかけているわけではありませんが、皆の知恵を出し合って、うっかり事故などを防ぐという実践です。

 

 この後発表いただくセイリョウライン様の実践も、スマートホンなどを活用し、社員全員で取り組まれたもので、皆さんもぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

■ドライブレコーダーを活用した個別指導の事例

 
 

 さきほど、ドライブレコーダーの画像診断について触れましたが、少しその内容を見ていただきたいと思います。

 自動車教習所の検定員の方に評価を担当していただいたものです。

 

 交差点での右折時の行動、目配りについて褒めていただいた例ですが、交差点で中央地点に行く前の確認行動、右折中のミラーへの視線移動などを複数の交差点で観察し、総合的に評価しています。

 このドライバーは、「右折時の安全行動が身についている」という評価です。

 

 ただし、このような優良ドライバーに対しても、施設内から歩道を横切って車道に出る運転行動についてはアドバイスをもらいました。歩行者がくるような場所に出る前に、もっと早めに減速し一度は完全に止まることなどがを求められました。

 ドライバーは徐行して安全確認を十分にしているつもりですが、こうした場所では、まだ改善点がみつかるということです。

 

 ドライブレコーダーの映像をきめ細かく見ると、こうした評価が可能です。 

■フォークリフトリフトマンが荷崩れを起こした事例

 もうひとつ、これはフォークリフトのドライブレコーダーがとらえた荷物事故の映像ですが、こうした事例も参考になると思いますので御覧ください。

 

 このフォークリフトオペレーターの視線に注目してください。ピックアップした荷物を仮置きした「つもり」で、もう次の荷物に目がいっています。

 このため、まだ爪の上に荷物が残ったままであることに気づかないでフォークリフトを動かして、荷崩れを起こしてしまいました。

 この人は決して経験不足というわけではなく、非常に優秀な作業者ですが、ベテランのフォークリフトオペレーターは、「勘と経験」で動いているため、こうしたうっかりミスを起こしやすいという事例です。

 

■品質面では破損事故防止に力を注ぐ

 品質面では破損件数の減少を目指していますが、破損の原因ではフォークリフト作業における事故が非常に大きな割合を占め、なかでもトラックドライバーの作業事故が多いのが特徴です。

 

 今後は、こうしたケースがますます増えることが心配されていますので10%削減目標を立てて安全指導を強化します。

 

 毎年、パートナー会社の皆様と「安全品質対策会議」を開催していますが、今年はこのなかで、ドライバーのフォークリフト事故を防止する実技講習を予定していますで、よろしくお願い申し上げます。

■指導・監督の義務が強化されます

 最後に、安全情報の共有についてですが、治良丸様からもご指摘があったように道路交通法の改正に伴い運転者への指導・監督の指針が改正されます。

 

 安全教育が15時間、初任運転者への実技指導が20時間ということになります。来年4月までには施行されるでしょう。

 

 当社では、以前から新任運転者教育を実施したあと、教育の記録きちんと保存するようにしています。

 来年度は指導・監督にかかるチェックがより厳しくなると思います。

 皆さんも指導体制の構築と記録を保存するということを心がけて下さい。

 

タカラ物流システム